用語集

金銭消費貸借契約

読み仮名:きんせんしょうひたいしゃくけいやく

意外と注意事項が多い!金銭消費貸借契約とは

今回はお金の貸し借りの契約としてよく知られている、金銭消費貸借契約に関して書きます。契約の具体例、契約書の書式はどのようなものか、さらに契約する際の注意事項を述べます。

貸すという合意だけでなく、実際の“お金”も渡さないと成立しない契約

まず当事者の一方が、ある期日までに、借りたいお金の額と同額の金銭を返しますと約束します。そして、その相手から金銭を受け取ることによって成立する契約が、金銭消費貸借契約です。
<具体例>
登場人物を、XとYとします。Xは友人Yから、平成28年8月8日に事業の運転資金として、2000万円を融資してほしいと申し込まれました。
そこで、XはYとの間で利息を年1割、返済期日を平成28年12月1日として、Yへ2000万円を貸すという合意をします。そして、合意した日にA銀行に行き、2000万円の現金を渡しました。
このような例が、金銭消費貸借契約です。

契約書の書式に書くべき要素は5つ

契約書には、誰と誰の契約か、返済方法や返済額、利息の額、支払いを怠った場合どうするのかに関して記載します。
では、具体例です。先ほど挙げた、XY間での2000万円の貸し借りの事例を使用します。
まず、①「XはYに、平成28年8月8日に金2000万円を貸し渡し、Xはそれを貸し受けた」と書きます。
次に②「平成28年8月8日から12月1日まで、毎月月末に金500万円を支払う」と書いて、返済方法と額を記載します。
さらに③「利息を年利1%とする」と利息に関することも書きましょう。
加えて④「支払いを怠った場合には、直ちに元金を全額返済する」など、支払いが無い場合の対処法も必須です。
そして最後に⑤「遅滞した場合には年18%の遅延損害金を請求する」と支払いが遅れた場合の、損害に関する記載も必要です。

期限の利益、連帯保証人の有無は注意が必要

注意事項として挙げられるのは、まず期限の利益の喪失という規定です。これはお金を借りている人が支払いを怠るとすぐに、全額返済してもらいますという規定です。大半の金銭消費貸借契約書には、この条項が入っています。しかし、意外に知られていないので要注意です。
続いては、保証人の有無です。お金を借りている人が支払いを怠った場合、全額弁済の義務を負う連帯保証人を別途用意してほしいといわれることがあります。
もし保証人を求められたら、別途書面で保証人になってくれる人に、同意を取らなければなりません。

借りる側の人は、返済の遅滞が無いようにしっかりと返済計画を練りましょう。

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